見学トラの巻(物件見学の注意点)

契約する前には現地の見学を行います。ここではその際にチェックしたほうが良いポイントを紹介します。
1)駅までの時間や交通機関を調べる
不動産の広告では80mを1分として駅までの所要時間を表示しています。
ただし、坂道等は考慮していませんし、人により歩く速さは違いますので、実際に歩いてみることをお勧めします。
バス便の物件では、駅前のバス時刻表で終バスの時間をチェックしておきましょう。終バスが夜10時頃に駅を出てしまう地域も多いからです。
さらに、夜間にタクシーを使う方は、すぐ乗れるかどうかも確認しておきたいものです。
タクシーの状態は、不動産会社の営業担当者に聞いても分からないこともあるので、実際に夜に現地に行って確認するのが確実です。
また、自転車を使う場合は駅周辺に駐輪場があるかを確認しておきましょう。
2)周辺環境は歩いてチェック
物件を下見する際、物件の周辺をできるだけ歩いて、自分の目で環境をチェックしてください。
特に重要なのは、騒音や悪臭のチェックと必要な生活関連施設の調査です。 騒音のチェックは念を入れて行いましょう。
駅周辺や駅までの間にスーパーやコンビニ、クリーニング店、金融機関等に加え病院やレンタルビデオショップ等があるかもチェックできれば完璧でしょう。
騒音については、平日は、近隣の工場や学校が出す騒音がうるさいが、週末は静かということもあります。
また昼間は静かでも、夜になると近くの幹線道路の騒音が響くこともあります。
できれば物件に入居を決める前に、昼と夜、平日と週末のように2回以上は現地でチェックしたいものです。
同様に、悪臭もチェックしましょう。例えば、物件の裏手の川から悪臭がするというケースもあります。
こうした物件の周辺環境は、入居してはじめて判明することが多いのですが、入居してから後悔しないためにも十分にチェックするべきです。
3)日照のチェックも忘れずに
物件を下見するとき、窓がどの方角を向いているかという点は意外にチェックしにくいものです。
よく言われるように、南向きが日当たりの良い方角ですが、下見の際に方角を正確に知るのは難しいので、下見の後に住宅地図や物件資料で部屋の向きをチェックすることをお薦めします。
南向きの窓がある部屋でも日当たりが良いとは限りません。例えば、部屋に接するような建物が隣にあるケースも多いでしょう。また、窓の大きさによってもお部屋の明るさは変わってきます。
また、少し離れたところに高いマンションなどがあり、カーテンを開けると部屋の中が見えてしまうケースもあります。
下見の際に、実際に窓の外を見て、周囲の状況をチェックしてください。
4)部屋の広さは自分の目で確かめる
広告では、部屋の広さを、帖数(畳の枚数)で表示しているケースが多く見られます。
1帖の広さは、不動産広告の基準によって、1.62㎡以上と決められています(例外もあります)。物件の下見の際には、この基準をもとに、部屋の広さを自分の目でチェックしてください。
下見の際には、ご自身で所有されている大きめの家具(タンス、ベッド等)や家電(洗濯機、冷蔵庫等)は事前に大きさを測ってから行くのがおススメです。メジャーの持参も忘れずに。事前に大きさを把握していくと、入居後のイメージもしやすく検討材料になります。
5)建物のチェックポイント
中古物件の場合、内装・設備の状況や交換時期、雨漏り跡・結露・カビの有無や床のきしみ・傾き、水圧や排水の流れなどを確認し、悪い点があってもリフォームで改善可能かどうかなどをチェックします。
また、物件の下見をする際、お家の中に視点が行きがちですが、建物が現状どうなっているか内装だけではなく、外からおうちを見ることも大事なことです。
外壁の劣化具合を見て、いますぐ塗装・張替え等が必要なのか、数年後必要なのか、その費用はどのように準備すべきか資金計画も変わってきます。
屋根の形状(落雪)なども見てください。落雪の可能性があるのであれば、どこに捨てればいいのか事前に知っておくことが大切です。また、塀の所有や越境物などについても、不動産会社に確認をしましょう。
マンションの場合だと管理員の勤務時間なども確認しましょう。また、共用部分であるゴミ捨て場・駐輪場の使い方や、廊下・階段の清掃の様子などを見れば、きちんと管理されているかどうかが分かります。集合エントランスの掲示板や郵便受けなども管理状態が反映されやすいポイントです。
建物の管理状態が悪い物件では、管理会社の契約内容(対応)や管理組合の在り方、住んでいる方の生活態度も悪いことが多いようです。
入居してからお部屋以外のことで悩まされないためにも、管理状態のいい物件を選びたいものです。
中古のリフォーム費用は、最近では住宅ローンに含めることも珍しくありません。住んでからリフォームするのは費用も含めてなかなか大変な場合が多いので、かかる費用と予算のバランスを考えながら、できるところは先にやってしまった方が、後々大変ではなく購入時の満足も高まります。
特にリフォーム業者が決っていない場合は、不動産会社の紹介を受けることも可能ですので、資金計画の段階からリフォームを含めた予算組をしていきましょう。